代表理事
MESSAGE
未来永劫を見据えた真の医学への探求
代表理事 村松 努
1950年、東京に生まれ、29歳で鍼灸師となる、政治経済経営を学ぶかたわら、文化人類学、医学へと進む。医学、伝承療術を学ぶ途中、臨済宗の一老師との出会いにより医術の世界で生きることを決意。難病治療を始める。1982年に東西総合医療研究所を開設。医療に関して独自の持論と医術を持ち手技道を提唱。それらを実践すべく国内、海外に「手技道」を中心に治療・セミナー・講演会を行う。東洋医学、西洋医学の融合を提唱、物理医学、生体医学、構造医学、霊体医学、環境医学、エネルギー医学を基軸に神座(しんざ)の医学とは何かを推奨する。
はじめに、現代医療の光と影、そして我々の使命
悠久の歴史を通じて、医学は人類の叡智の結晶として絶えず発達と発展を遂げてきました。古代の伝承医療から近代的な科学医学に至るまで、その形態は様々ですが、全ての医学に共通する崇高な使命があります。それは、数多ある学問の中で唯一、人間の「命」そのものと直接対峙するという、厳粛な事実です。医の道を志す者は、誰よりも深く生命の尊厳を心に刻み、その神秘に対して謙虚でなければなりません。
現代において、西洋医学はその科学的根拠に基づいた診断・治療体系によって主流の地位を確立し、感染症の克服や救命救急医療の発展など、計り知れない恩恵を人類にもたらしました。
その功績は偉大であり、我々もその恩恵を享受しています。しかしその一方で、その分析的・対症療法的なアプローチは、新たな課題を生み出していることも看過できません。病を臓器や部位ごとの問題として捉えるあまり、人間を統合的な生命体として見る視点が失われがちになり、複雑な慢性疾患や原因不明の不定愁訴に悩む人々が増加しています。また、薬物療法への過度な依存は、時に副作用という新たな苦しみを生み出すこともあります。今、私たちは、これまでの医学の成果を礎としながらも、生命をより根源的かつ統合的に捉え直し、「真の健康」とは何かを改めて問い直す岐路に立たされているのではないでしょうか。
手技道の核心・原遺障害という根源へのアプローチ
手技道は、50年以上にわたる弛まぬ臨床実践を通じて、独自の診断治療学を体系化してまいりました。私たちが目指すのは、現れた症状を一時的に抑制する対症療法ではありません。その症状を生み出している生命の根源に存在する原因を突き止め、それを正すことによる根本治療の実現です。
その医学の核心をなすのが、「原遺障害」という概念です。人の健康を左右する要因として、一般的には遺伝的要因や生活習慣が重視されます。しかし私たちは、それだけでは説明のつかない、数多くの臨床事例に遭遇してきました。そして、人がこの世に生を受ける、その始まりのプロセスにこそ、生涯にわたる健康の礎を揺るがす重大な要因が潜んでいることを見出したのです。「原遺障害」とは、母親の胎内に命が宿った瞬間から、誕生に至るまでの期間に生じる、身体の微細な歪みや機能的な滞りのことを指します。
これは、先天的な遺伝子情報とは異なり、胎内での姿勢、母体の健康状態、出産時の物理的・精神的ストレスなど、後天的な環境要因によって刻み込まれる、いわば身体の初期設定のエラーとも言えるものです。
この原遺障害は、いわば建物の基礎部分のわずかなズレのようなものです。建築当初は問題とならなくても、年月を経て建物全体に歪みが生じ、壁に亀裂が入ったり、扉が開きにくくなったりするように、人生の様々なステージで、原因不明の痛み、慢性的な疲労、自律神経の失調、あるいは精神的な不調といった、多種多様な形で表面化してきます。手技道の診断学は、この生命の最も初期に刻まれた原遺障害を正確に読み解くことから始まります。そして、繊細かつ的確な手技によって、病の根を絶つ、手技道が追求する真の根本治療です。
人間教育としての手技道・段位制に込めた想い
手技道が目指すのは、単なる優れた医療技術者の育成に留まりません。私たちは、医術は「仁術」であるという古来の教えに立ち返り、技術の習得と並行して、人間としての成長を何よりも重視しています。なぜなら、人の身体に触れ、その命に寄り添うためには、高度な技術以上に、深い人間性と倫理観が不可欠であると確信しているからです。
その理念を具現化したものが、私たちの段位制という総合的教育システムです。段位制は、単に手技の熟練度を測るための階梯ではありません。
初段から高段位へと昇段していくプロセスは、自己の身体と心に向き合い、他者の痛みを知り、生命の尊厳を学ぶ、人間形成そのものの道程です。そこでは、技術の修練はもちろんのこと、礼節、謙虚さ、探究心、そして何よりも患者様に対する深い慈愛の心が問われます。技術(手技)と心(人間性)が、車の両輪のように一体となって初めて、真に人を癒す神座の医療は実現できるのです。この段位制を通じて、私たちは、患者様の身体だけでなく、その心にも寄り添える、全人格的な医療人を育成することを目指しています。
100年、1000年後まで続く「神座(しんざ)の医学」を目指して
手技道協会は、村松 が50年という半世紀にわたり培われてきた臨床実践の叡智を次世代へと確実に伝承していくことを使命としています。手技道の挑戦は、既存の医療を否定するものではありません。むしろ、西洋医学をはじめとするあらゆる医学への深い敬意を払いながら、生命の根源にアプローチすることで、現代医療を補完し、より高次の次元へと昇華させることを目指すものです。
私たちは、手技道を100年、1000年後まで続く神座(しんざ)の医学」と位置づけています。
これは、単なる一つの施術ではなく、時代を超えて通用する普遍的な生命の理を探究し、永続的な代替医学体系を構築するという固い決意の表明です。この目標の実現に向け、私たちは、日々の臨床と教育に真摯に取り組み、手技道の普及に努めて参ります。そして、一人でも多くの方々を苦しみから解放し、その人本来の輝かしい生命力を取り戻すお手伝いをすることで、健やかで調和に満ちた新たな世界を構築していく所存です。
皆様のご理解とご支援を心よりお願い申し上げます。


